こんにちは。じょりぱです。
先日ある美術館をうろうろしていたのですが、そこのショップにて偶然見つけました!
有名な椅子たちが勢ぞろい!
ついつい
おっ!
っと声が出てしまいました。
今回はその中から4点を紹介してみます。
①バタフライスツール
日本が誇る椅子の一つで1956年に柳宗理によって発表されました。その名の通り蝶々のような曲線美が特徴です。
驚かされるのがそのシンプルさ。たった2枚の板と2本のボルト、真ん中下を挿せるステーのみでできており、生で見るといい意味での反物理則具合に目が持っていかれます。
また、縦横のバランスも感動しました。おそらくこの角度で見るのがきれいな気がします。真横から見ると意外と背が高く見えるのですが、人が見るこの高さではちょうど蝶々が羽を広げたようなバランスとなります。
ちなみにこのバタフライスツールと柳宗理はカラーコーディネーター2級の試験範囲内です。家具の量産デザインという内容で出てきます。成形合板を使って庶民でも買えるような範囲で美しいものができてきた時代ですね。
美術館で見つけたときは
あの教科書で見てたやつ!!!
といううれしさが込み上げてきました。
(スタイルが良い方に裸で座ってもらって後ろから写真とれば曲線とお尻の割れ目が呼応して非常にアーティスティックな写真が取れる気がしたのですが誰かやってくれないかなw 妻にお願いしたら は? って言われておしまいな気がするし。。。いやそもそもそんな風呂場見たいな使い方したら有識者からも は? って言われそうな気もする。。。(*´Д`))
②CH24 Y-chair
でましたおなじみY-chair!!
デンマークの家具デザイナー、泣く子も黙るハンス・ヨルゲンセン・ウェグナーの代表作です。世界で最も売れたイスの一つとされており、日本でも非常に人気がありますよね。背中のYの字が名前の由来です。ちなみに英語ではwishbone(=鳥の鎖骨) chairと呼ばれています。
シンプルに見えますが改めて生で見ると平面的ではなく、空間的にデザインされているのがわかります。木の太い/細いや平面/曲面、厚い/薄いがどこから見てもよいバランスになっており、一発屋ではなく、毎回見る角度によって新たな発見があるような”飽きのこないデザイン”になっているんだと思います。
気になる座面はペーパーコードというデンマーク産の天然パルプから作られており、年月とともにお尻の形に馴染んでくるようです。
セミアームで色々なシチュエーションで使えるものよいですね。”使い勝手が良い”のも半世紀にもわたるロングセラーの秘訣かもしれません。
ちなみにY-chairにはデザインの歴史があります。元をたどるとなんと中国に!!
圏椅という椅子にインスパイアされたウェグナーが、ちょっとちょっとずつデザインをシンプルしていきこの形になったようです。
う~~~ん中国恐るべし!
③J67
FDB Mobler(デンマーク生活協同組合連合会)3代目代表のアイヴァン・A・ヨハンソン作の椅子。
広めの背板がしっかりと体を支えてくれます。
体に負担がかかりづらい椅子の一つのファクターとして「しっかりと体に対して面であたり、体重を広く逃がしてくれること」は非常に重要です。その観点からこの椅子は優れていそうですね。
デザインとしては他のものと比べ多少足が長くて太く見えます。背面や座面の板感とのバランスでこうなっているのでしょうか。Y-chairと同じシートハイト450mmなのに面白いですね。
(写真の角度でしょ!ってツッコミはやめてねw高い位置に置いてあってこの角度になっちゃったんです。。。)
背板は腰のあたりでくびれており二本のスリットも入っていることから圧迫感を軽減する工夫がなされています。
面で3D形状が作られていることから、歴史的にも成形合板っぽさが全面に出ており、当時こんなことができるよ!って感じで新しいデザインだったんだろうな~と感じます。
すげーーーなんとなくだけどドイツ人この椅子に似合いそうw
④ABOUT A CHAIR
こちらもデンマーク。
HAYというインテリアプロダクトブランドで、上に挙げたような50,60年代の家具デザインと、新しいデザインの融合を図っている2003年に設立された新しいブランドです。Y-chairやJ67からの繋がりで紹介しました。
PP(ポリプロピレン)とオークという異素材の組み合わせがモダンな感じを出しています。樹脂製のメリットとしてカラーバリエーションの豊富さも挙げられます。会議室からレストランなど様々なシチュエーションで使えますよね。
この椅子の特徴は何と言ってもシェル部分。樹脂でできているため、連続的な3次元曲面です。”人間工学的につくられた...”という今となってはある意味お決まりな文句ですが見るからにそんな感じがしますw
シェルのコバ面(側面)をしっかり見せているのがよいですよね。シェルのコバ面に呼応してオークの面が地面に伸びており、よいバランスと安定感を出している感じがします。
ということで、美術館にてまさかの出会いがありついつい記事にしてしまいました。
ちなみに肝心な美術館での展示は日本画についてで1ミリも関係ありませんでしたが...w
楽しんでいただけたら幸いです。 それではまた。