100均マーカーで描くプロダクトデザイン その②
こんにちは。じょりぱです。
100均マーカーで描くプロダクトデザインの2回目です。
今回は私が描いた作品例を使いながら、なかなか表現が難しい透明なものの表現に焦点を当ててみたいと思います。
私も前回書かせていただいたように、Spencerさんの動画を見て初めて学びました。
英語の動画ではありますが、聞き取りやすいですし、見るだけでもなんとなくわかるのでおススメです。
さて、透明なものを描くには明らかに”知識”が必要です。
美術系の学校出身の方はともかく、普通に生活していてもなかなか習えるようなものではありません。私も偶然YOUTUBEでよいチャンネルを見つけられたので知ることができました。
しかし、一度仕組みさえ知ってしまえば一気に絵のレベルを上げることができます。今回はそれを皆さんと共有したいと思います。
早速ですが、グラスなどの透明なものをよーーーく観察してみましょう。
改めてみると透明なところ、黒いところ、景色が透けているところ、反射しているところ、真っすぐなところとゆがんでいるところ、、、様々な要素があることに気づきます。それらを表現するためのコツを5つにまとめてみます。
①透明な板の内側面を暗くする
グラスや瓶など、透明の板でできているものの輪郭を見ると、板自体は透明になっているのですが、板の内側の面でも光の反射が起こっていることに気づきます。そして、特に輪郭の近くにおいて、それらがこちらからはギュッと見えるので、かなり暗く見えるんですね。
それを捉えて描く!というのが一点目のコツです。
↑香水瓶の例。板厚を表現しました。
このように、板の内側をグレーなどで暗めに示してあげることで板の厚みがわかるのと同時に、板部分が透明であることを表現できるんです。
板自体を透明に塗るのではなく、板の内側の反射に着目し暗くする。それが一つ目のコツです。
②全部塗らずにところどころ紙の白を残す
このランプの絵を見てみましょう。
背景はピンクですが、透過している部分を全てピンクで塗りつぶしてはいません。
立体には光の当たり方により、明るい部分や暗い部分が生まれます。透明なモノだと透過と反射が繰り返されそれがさらに強調されるので、それを表現することで透明感を伝えることができます。
特に明るい部分は紙の白を残すことで表現できます。
形状を反映させながら白く塗り残すことで対象物の立体感を表現することができるんですね。
また、板厚の部分も白く抜いています。
これは背景のピンクが板厚の中をず~~っとこっち向きに真っすぐ透過してくることはないからです。①と併用することで透明なモノ感が一気にでてきます。
すなわち、板厚の部分は白く残し、その内側を暗くする。といった感じです!
③透過した背景を歪ませる
今度は透過した背景がどうなっているかに着目します。
試しにグラスのような円筒状のものの裏に色が濃いものを置いてみてください。ちょっと透過した景色が歪んで見えないですか? 特に輪郭の近くが。
これを表現するのがコツの三つ目です。
特に透明のものが丸みを帯びている場合、この効果は顕著です。
↑ピンクの背景を円筒に沿って斜めに描いた例
↑青い背景を輪郭部で歪ませた例
細かいところではありますが、これを表現すると一気に透明素材の曲面感が増します。
特に輪郭付近は景色が集まってくるので歪が大きいです。掃除機の例のように、背景を輪郭部でぴゅって歪ませるだけでもだいぶ変わりますよね。お得なテクニック!
④周囲の色をぼんやり反映させる
瓶のように透明なモノで囲まれた空間では入ってきた光の一部が透過し一部が反射し、その反射した光はまた別のところで透過&反射し、、、を繰り返していきます。つまり全体的にモヤっと背景の影響を受けます。
例えばこのウイスキーの瓶、茶色の液体の部分に周りの赤い布を薄めたようなピンクを入れているのがわかりますでしょうか?
とてもさりげないのですがこれによって背景が透過してガラスでモヤっと拡散しているよ、と表現することができます。
これは実際よりも強調気味に描くとよいかもしれません。
実は最初の香水瓶の例でも液面の左上の方、さりげなく黄色を薄く入れて瓶内での反射を表現しています。気づきましたか?
⑤レイヤーを重ねる
透明なものが平面の場合、なかなか上記のテクニックは使いづらかったりします。
そんなときはレイヤーを重ねて表現する方法もあります。
ある意味一番手っ取り早い!やり方は簡単、修正液でしゃっと線をいれるだけ!
↑鉛筆削り。いったん削りカスを描いておいて、上から違うレイヤーを示すように修正液でハイライトをいれた。
この例では修正液の線が無いとカバーが無いように見えますよね。いったん中身を描いておいて勇気をもってズバッと光の反射を示す線を入れる。
これによって「あ、透明な板あったんだ!」って伝えます。必要なのはいったん描いた絵の上に修正液をたらす勇気だけです。
以上、透明なものを描くときのコツ5点でした。
改めてまとめると、
①透明な板の内側面を暗くする
②全部塗らずにところどころ紙の白を残す
③透過した背景を歪ませる
④周囲の色をぼんやり反映させる
⑤レイヤーを重ねる
でした。
一度にすべてを反映させるのは難しいかもしれませんが、一つ入れるごとにレベルがぐっぐっと音を立てて上がっていきます。一緒に練習していきましょう!
最後に番外編として、私が使っているスマホケースについて。
先日スマホ本体にヒビが入ってしまったのでそれを隠すためにプロダクトデザインの練習で描いたものをぎゅっとまとめて印刷してみました。
透明なケースの中に入れるとなんかそれっぽい!
ということでスマホを変えるまで当分これでしのぎたいと思います。
あ、よく見たら下の角のところ白いハイライトが入っていますね!!
板厚部分もわずかに白く抜けています。そして板厚の内側はかなり暗いですね。
この記事を読んだ後だと見える世界が変わりませんか?
知識を増やすことで身の回りへの感度を高め、ともに人生を楽しんでいきましょう!
ということで、楽しんでいただけましたら幸いです。
それではまた!