こんにちは。じょりぱです。
一般的に全館空調、床暖房、エアコンと空調系には大きく3つの選択肢があると思います。
今回はそれらについて個人的な見解を述べていこうと思います。ちなみに、私も色々迷ったのですが、最終的にはエアコンのみになりました。どんなことを考えての判断だったか、一つの例としてご紹介できたらと思います。
※あくまでも個人の見解ですので、一般解ではありません。ただ何を採用するにしても是非デメリットまで理解した上で決定し、後悔の無いようにしていただきたいとの一心です。
(1)全館空調
まずはこれですよね。夢の全館空調。常に部屋が一定の温度だったらなんて楽なんでしょう。私も憧れていました。憧れていたから色々調べました。
まず、全館空調が得意な大手(一部工務店も)なら、、、個人的には多少高くても採用です。”得意”というのは、トヨタホーム(デンソー)、パナホーム(パナソニック)のように、グループ内にしっかりとした技術があり、それを活かした設備を導入できるところです。
もう一つ大事なのが、各部屋ごとに温度を指定できるかです。全館空調のよく聞く最大のデメリットとして、例えば夏、2階が暑い、窓の近くが暑い、、、などと温度の偏りができてしまうことです。また、旦那さんは涼しいのが好き、奥さんは暖かいのが好きなど、個人の好みも反映できなくなってしまうということがあげられます。
オプションでお金がかかってしまうことが多いですが、全館空調が得意な大手なら各部屋ごとの設定可能タイプに変更できるはずです。私が大手で建てるならここまでやっていたと思います。
ランニングコストは覚悟しましょう。そりゃ全館に空調を利かせるわけですからそんなに安くはありません。。。
一方、(一条工務店など、空調が得意な一部を除く)工務店や空調が”普通”の大手では私はあまりおススメしません。具体的には市販のエアコンをどこかに隠して、ダクトで各部屋まで送るタイプのものです。
理由は二つ。
①上記で書いた部屋ごとの調整ができないから
②ダクトで天井が暑くなる⇒居住空間として使えないデッドスペースが大きくなるから
デッドスペースが大きい設計というのは設計者の私としては残念な限り。
家が大きくなる⇒材料費が高くなる、重心が上がる、階段の段数が増える
など、悪いことづくめです。
まぁ大手だと施主から何を言われても対応しなくてはいけないのでマージンを持った設計になるのはしょうがないんだけどね、、、
ということでまとめると、
・全館空調が得意な大手(一部工務店も)ならアリ
・初期投資とランニングコストは覚悟
・それ以外はナシ
でした。ちなみに工務店のネイエ設計で建てた私は全館空調”不採用”です。
(2)床暖房
床暖房には大きく3種類あります。
①ガスで温めた水を床に通すもの(温水式)
②電気ヒーターで直接温めるもの
③温風を送るもの(CCF)
いずれにせよ、床暖房は床から伝導熱で足を温めながら、輻射熱で部屋を温めるため、
・温かさが柔らかい
・空気が乾燥しづらい
・足元が温かい
というのが共通したメリットと言えるでしょう。
一方最大のデメリットは
・無垢の床材の選択肢が大幅に制限される
これにつきます。
無垢材でも使える種類はあるのですが選択肢はかなり絞られます。
また、幅も狭くなり空間が少しBusyになります。
逆に言うと、、、無垢の床にこだわっていなければ全然アリと言えるでしょう。
しかしながら他にも色々な話を聞きます。
・断熱/気密性能が十分でないと、結局エアコンも併用する
・床暖房が入っていない部屋(トイレ、風呂など)は寒い⇒ヒートショック
・キッチン下も温まり食材が痛みやすい
・結局ランニングコストは高い(温水式でもエアコンの約3倍)
・メンテナンスが必要(例、不凍液の交換、配管点検、ボイラー点検)
導入するにしてもこれらのリスクは知っておきましょう。
ちなみに個人的にもし導入するとしたら温水式を少しでも多くの部屋にひきます。電気式はランニングコストが高くつくので選びません。
ということでまとめると、
・床材とある程度のランニングコストが納得できればOK
・選ぶなら温水式
といったところでしょうか。
ちなみに我が家は無垢材の床にこだわりたかったため選択肢から除外しました。
オークでこれだけ幅が広い床材は床暖との共存はできませんでした。
(3)エアコン
最後はこれ。もはや説明不要ですね。
結局のところ、他と比較するとエネルギー効率もずば抜けて高いです。ランニングコストも低い。
唯一デメリットとして言えるのは”目立つ”ということでしょうか。
その対応策はずばり、”隠す”。
(或いはカッコよいエアコンを買うw)
ということでまとめると、
・結局一番無難
・ビジュアルをどう良くするかが課題
といったところでしょうか。
(4)最後に
以上の検討から我が家は"エアコンのみ"の採用となりました。
しかしそれ以上にお伝えしたいことがあります。
色々検討して分かったこと、、、それは空調設備より
「断熱性能、気密性能にお金をかけるほうが良い」
ということです。
もっと言うと、、、
「風通しの良い土地を選び、パッシブデザインにするのが良い」
ということです。
↑さすがに今の時代でこれは究極すぎ?w
結局空調性能は”その場しのぎ”的な側面があるように思えます。それならそもそも家の素性を良くした方が良いのです。
空調設備に100万かけるのなら、100万円分断熱性能を上げてみてはいかがでしょうか。窓のランクを上げればかなり室内の環境は変わりますよ。
或いは、床材を無垢材にするのも良いと思います。ホンモノの木にすれば足元が冷えることも少なくなります。感触も良く、色も香りも良いですしね。
そしてもう一つSDGs的な観点から、、、思うに空調をいじるというのは自然の法則に反した人間の業です。必ずエネルギーを消費します(エネルギー保存の法則に反した言い回しw)。それなら少しでも業を小さくしたい、、、というのが私の思いです。
資本主義MAXの環境で生み出された我々世代が業をゼロにすることは難しい。ただそこまで我慢せず業を減らす方法があるのであれば少なくともそれは積極的に取り入れたいと思うわけです。
ということでこれらを総合して私はエアコンをチョイスし、余ったお金は断熱性能などにかけました。
余ったお金!?、、、いやいや普通に高い家になっただけだけども、、、(;´∀`)
と、最後は謎な思想が入ってしまいましたが、空調に関しては以上です。
重ね重ね、この記事はあくまでも私個人の判断基準を述べただけのものです。勿論人によって大事な部分が異なるのは当然です。あくまでも参考程度にしてください。
以上、ちょっと真面目すぎたかな、、、今回も楽しんでいただけたら幸いです。
それではまた。