障子の美しさ
こんにちは。じょりぱです。
今回は和モダンに欠かせない障子について、書いていきます。
・障子の光〜透過と反射〜
障子と聞いて浮かぶイメージってやはり外からの日を和らげて光るあの懐かしい感じですよね。
障子の得意技は光を操ること。入ってきた光を受け上手に透過、拡散させることでまるで面全体が発光しているかのように見えます。
障子の向こう側にある木の影などをちらちらと影絵のように映し出してくれるのも素敵です。
個人的にはやはり障子は光を楽しめるもの。シーリングライトでビカビカに光っている部屋では良さが半減してしまいます。ここでも陰影礼賛。実家の障子は味気ないけど、昔のお屋敷などでは障子がとてもきれいに光ってる、なんてことよくありますよね。
また実は障子は白の平面でできていることもあり光の反射も得意分野です。夜になると今度は室内の照明を反射して面発光のように明るくなります。これにより照明効率をグッと上げることができます。
・障子の紙
障子の紙には様々な種類がありますが、大きく分けて強化紙か樹脂の2通りと言えるでしょう。
紙は上記に書いた面発光のように光ります。結構眩しいくらい明るいです。これが紙だと特に顕著。言いすぎかもしれませんが、効果的に配置することでカーテンと違い照明としても使えます。デメリットは経年劣化し、破れることでしょうか。
樹脂系のものはワーロンを代表に様々な種類がありますが、全体的に紙と比べて光がボヤッと柔らかくなります。これが良いか悪いかは完全好みだと思います。
水拭きができる、丈夫、燃えにくいなどの強みがありますがその分初期投資が少し高くなります。
例えば小さい子やペットがいる家庭などではワーロンのほうが破られる心配が少ないと思います。
・障子の断熱性
実は障子、断熱性に優れています。
まず、カーテンと異なりピシッと端から端まで窓を覆うことができます。断熱の絶対条件であるカバー率、これはかなり完璧です。
次に断熱を考える際にキーとなるのが空気層です。熱を通さないためには空気の層を間に持つことは非常に大事なファクターです。二重サッシ窓も同じような話です。(中に空気ではなくアルゴンが入っていることもありますが、、)それを考えると障子を閉めると自動的に窓との間に空気層が生まれるんですね。普通は断熱材としてセルロースやウレタンの吹付けなどを行って空気層をつくりだすのですが、ある意味障子はピシッと閉めればもうそれで空気層が自動生成。
たまに障子開けるとその裏の空間がめちゃくちゃ、暑いときとかありませんか?間の空気層が働いている証拠です!
また、枠や格子の素材として使われる木は調湿効果があるため快適な空間を作り出してくれます。
・障子の格子デザインと和モダン
障子の格子デザインについては無限の種類があります。伝統的なもの、細かく区切ってあるもの、丸が入っているもの、斜めの線のデザイン障子なんてのもあります。
そんななか”和モダン”を出す格子デザインとはどのようなものでしょうか。
「線を少なくすること」が一つ言えるかと思います。
組子をふんだんに使用した伝統的なデザイン障子はとても目を引く傍ら、やはり少し空間をbusyにしてしまう節があります。
一方で線が少ない障子は、多少”洋が入った空間でもそこまで和を押し付けることなくさりげなく和っぽい光を室内に入れてくれます。
マツダ車のデザインコンセプト"コドウ"ではありませんが、やはり無駄な線をそぎ落としていくというのは和の真髄なのではないでしょうか。
以上、楽しんでいただけたら幸いです。
↑光について考察されている施主さん必読書です。明るきゃいいってもんじゃない。量も少なくさくっと読めます。影がこんなに大事だったなんて。。。