こんにちは。じょりぱです。
今回は家の外観について、私がとても大事だと思っていることをご紹介します。
それは、、、
景色に程よく馴染み、程よく提案する。
ことです。
家造りを始めて以来、私はよく夫婦で散歩をするようになりました。家や自然を見ながらあーだこーだ言いながら歩きます。
何百軒もみていると色々な家があることに気付かされます。
目立たないように黙って小さく座っている家
俺を見てくれ〜と言わんばかりにギラギラした家
人と違うことをしようとしているちょっと皮肉れものの家
お隣さんの影響を受けまくりな家
、、、
そんな色々な外観がある中、果たして「良い外観」とはどういったものでしょうか?
まず前半の「景色に程よく馴染み、、、」というところ。
景色に程よく馴染む、、、というのはそのエリアの色彩、空気感などに馴染んでいるということです。
必ずしも隣の家の外壁に色を合わせろっていうことではありません。が、明度、彩度が近所の家にも、道路にも空にも合わない家は、やはり騒色として認知され、人を不快にさせてしまいます。
特に住宅街の場合は変な色を使った家は悪目立ちします。
おしゃれであること=目立つこと では決してないことを知る必要があると思います。
それではどのような色が合うのでしょうか。
四季がある日本の気候には、やはりアースカラー~暗めの色が合う気がします。
日本の気候の特徴である、桜、雨、紅葉、雪、、、こういった自然をさらりとひきたてるような色味です。
自然に打ち勝つのではなく、自然と調和しようとする。これが日本のデザインの最大の特徴だと思います。
日本を見渡すと、街レベルで色彩計画を行っているところもあります。
代表例としては多摩のベルコリーヌ南大沢、足立区の西新井ヌーベルなど。これらは一定の中・低彩度の外装でまとめるようルールがあり、街全体が自然の色味と調和します。
京都など古い街並みが残る場所では、コンビニの看板まで茶色になっているというのもそういうことですよね。
↑世界を見渡すと街全体でカラフルにしている場所も。(イタリア・ブラーノ島)
カラフルですが、滅茶苦茶な訳ではなく、一定のトーンで統一されているように思えます。
一方で全く周りに馴染み過ぎるのも面白くありません。
街に対してプラスもマイナスもない、合っても無くても良い家になってしまいます。
そこで、後半部分。「程よく提案する、、、」です。
程よく提案する、、、というのは、近くを歩いているときに「あっ、いいな」と思ってもらえる程度の何かを街に対して表現することだと思います。
一番手っ取り早いのは植栽でしょう。
その場所に自分の家を建てさせてもらうお礼として、緑を街におすそ分けです。
特に法面や角部を利用して、道路に向かって開いた庭にきれいな植栽があると、街の景色に良い影響を与えます。
さらに植栽の裏にきれいな壁を設けてキャンバスにするなどしたら良いですよね。
街に大がかりな絵画を提供している感じです。
沈丁花など良い香りがする木を植えるのも一つの方法です。やりすぎは注意ですが、そのエリアのシンボル的な香りとして、積極的に良くしていくことができます。
植栽以外の技としては、、、
その街の特徴・特産品を取り入れるなども良いかもしれません。
例えば杉が有名な場所だったら杉のスツールを置く、陶器が有名だったら表札を陶器にする、、、などです。その街にしかない景観に貢献できると思います。
学生の通り道に家を建てた方で、開いた敷地にきれいなベンチを設置したりする方もいらっしゃるようです。ここまでくるとかなりのレベルですね。。。
色々なやり方はありますが、「あっ、いいな」と思ってもらえればこちらの勝ちです。
景色に程よく馴染み、程よく提案する。
なかなか難しい命題ですが、考えること自体楽しいですよね。
これから家を建てる方は是非その場所に行き、散歩をして空気を感じながら
「どんな家がここには建つのだろうか、、、」
とイメージを膨らませていただければと思います。
自分の好きなイメージを無理やりその土地に置くのではなく、その土地から自分の家のイメージがぼわっと生まれてきたら間違いなく良い外観になると思います。
以上、外観についての考察でした。
楽しんでいただけたら是非スターやブックマークをお願い致します。
それではまた。